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原因をつけたがる、人の癖
今朝、帰属理論を学んでいた。相手の行動や失敗の原因を、どう解釈するか。その人の性格のせいにするか。状況のせいにするか。人は、この選び方に癖がある。
つまり、人は原因がわからないままが苦手だ。理由をつけたい。理由があれば、とりあえず安心できる。
学びながら、ふと別の本が浮かんだ。「連続殺人鬼カエル男」。理由をつけたくても、つけさせてくれない側の話だ。
13階のフックと、稚拙な声明文
最初の事件はこうだ。マンションの13階。フックからぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには、子供が書いたような稚拙な犯行声明文。
これが、街を恐怖に陥れる殺人鬼「カエル男」の最初の凶行になる。警察の捜査は進まない。第二、第三と事件は続く。街はパニックになっていく。
犯人の正体も、仕掛けも、ここでは書かない。あらすじにある通り、どんでん返しがつづく。どう繋がるかは、聴く人の楽しみに取っておく。
怖いのは死体じゃない
聴いていて、怖さの正体がだんだん変わった。最初は、現場の描写が怖い。けれど途中から、別のものが怖くなる。わからなさ。
あらすじには「無秩序に猟奇的な殺人」とある。無秩序。筋が見えない。人柄のせいにも、状況のせいにも、できない。
街の人たちが怯える気持ちが、少しわかった気がした。理由がつけられない相手には、身構えようがない。ここは私の受け取り方で、本の答えではない。
耳で聴くと、子供っぽさが音になる
ナレーターは二人。藤田幹彦さんと前迫愛朱佳さん。
紙で読めば、稚拙な声明文は字面で済む。耳だと、そうはいかない。あの子供っぽさが、音として入ってくる。聴く前から、そこが気になっていた。実際にどう響くかは、書かない。自分の耳で確かめてほしい。
ひとつだけ言う。夜に一人でイヤホンで聴くなら、少し覚悟がいる。眠れない夜に向くかどうかは、正直わからない。でも、目が冴えている夜なら、止まらなくなる。
聴き終えて、残ったもの
最後の一行まで目が離せない。あらすじの言葉は、嘘じゃなかった。
聴き終えて残ったのは、自分の癖だった。わからないものに、すぐ理由をつけたがる癖。帰属理論で朝に学んだことが、夜に別の形で戻ってきた。
理由がつかないものと、人はどう向き合うのか。街を少し引いて眺めたくなる。そんな一冊だった。