※本ページはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
「実際より良く見せる」を学んだ朝
今日、景品表示法を勉強していた。有利誤認表示のところ。商品やサービスの価格なんかの条件を、実際よりも著しく得だと思わせる表示。これは禁止されている。
読んでいて、ふと思った。法律って、感情で殴らないための道具なんだな、と。腹が立つ。騙された。でも殴り返さない。線を引いて、そこを越えたかどうかで決める。
それで、この本を思い出した。「復讐は合法的に」。タイトルからして、もう、そのまま。
六年付き合った人に、裏切られた
主人公は麻友。OLだ。六年付き合った彼氏に、手酷く裏切られる。六年。短くない。
そこで出会うのが、合法復讐屋のエリス。弁護士資格と法律知識を使って、復讐を代行する人。殴らない。脅さない。使うのは法律だけ。
最初は、麻友の件。その後もエリスは、いろんな依頼を受けていく。中には妄想じみたものもある。そこから、殺人事件の意外な真相にたどりつく。どう繋がるかは、聴く人の楽しみにしておく。
怒りに、ルールを着せる
この本の芯は、そこだと思う。怒りを消すんじゃない。怒りに、ルールを着せる。
仕事をしていると、飲み込む場面がある。理不尽。納得いかない。言い返せない。そのまま持ち帰る。そういう夜に、エリスの手際は効いた。
法律の通じない権力を持った相手も出てくる。ここからが、たまらない。正攻法が効かない相手に、どう立ち向かうか。ページをめくる手が止まらない、というやつを、耳でやっている。
そして、最後のターゲット。あらすじにある通り、エリス自身にも何かがある。ここは何も言わない。
川中彩加さんの声で聴く
ナレーターは川中彩加さん。
復讐の話なのに、声が湿らない。そこがいい。麻友の揺れる感じは揺れたまま、エリスの場面では、すっと温度が下がる。冷たいのとは、ちょっと違う。落ち着いている。
間が、いい。法律の説明が入る場面で、ほんの少し置く。こちらが理解する時間をくれる。目で読むと、条文っぽいところで流してしまいそうなのに、声だと流れない。
移動中に聴いて、降りるのが遅れそうになった。それくらい、続きが気になった。
聴き終えて残ったもの
スカッとする。確かにする。でも残るのは、それだけじゃない。
人を許せない気持ちは、悪いものじゃない。ただ、扱い方がある。拳じゃなくて、線引きで。そう思えたら、少し肩が軽くなった。
有利誤認の勉強も、おなじだった。ずるい見せ方を、ちゃんとルールで止める。それは冷たさじゃなくて、守るための優しさなんだと思う。
明日の仕事で、飲み込むことがあるかもしれない。そのときは、エリスの顔を思い出す。ちょっとだけ、背筋が伸びる。