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本から、遠ざかっていた
本は、紙で読むもの。ずっとそう思っていた。でも、タブレットもPCも、どうも頭に入らない。いつからか、なんとなく本から足が遠のいて、気づけば読書の習慣がなくなっていた。
子どもの頃はあんなに本が好きだったのに。そう思いながら、本棚の背表紙を眺めるだけの日々が続いていた。
きっかけは「もしかしたら、いいかも」
オーディブルを始めたのは、Amazonで買い物をしていて、ふと目に入ったから。それだけの理由だった。
最初に聴いたのはビジネス本。でも、勉強しているような感覚で、どうにも疲れてしまう。リラックスして物語に浸る、という感じではなかった。これは続かないかもな、と思っていた。
ある瞬間、手が止まった
ある日、ランキング欄でなんとなく目に止まったのが「本好きの下剋上」だった。
何かをしながら、何の期待もなく聴き始めた。最初は普通だった。ところが、ある瞬間――気づいたら、手が止まっていた。ただ声に聴き入っている自分がいた。
そのまま、3時間。1巻が終わっていた。そして終わった瞬間、私はもう2巻を再生していた。
声がつくと、本が「話しかけてくる」
このとき、初めて知った。活字を目で追うのと、声で聴くのは、まったく別の体験だということを。
ナレーターの声がつくと、登場人物が息をして、こちらに話しかけてくる。文字だったものが、生きた物語になる。“読む”では届かなかった距離が、ぐっと近くなる。
「ながら聴き」は、付録だった
オーディブルというと「ながら聴きができて便利」と言われる。確かにそうだ。料理をしながら、入浴しながら、眠る前の10分でも聴ける。でも、それは私にとって“付録”でしかなかった。
本当に変わったのは、生活そのものだった。テレビをつけなくなった。気に入った場面は、何度も巻き戻して聴いた。無味だった隙間時間が、全部“物語の時間”に変わった。
もう一度、物語を楽しめるようになった
本から遠ざかっていた私が、耳で、物語と出会い直した。「本好きの下剋上」は、その入り口をくれた一冊だ。
もし今、なんとなく本から遠ざかっている人がいたら。一度だけ、耳で聴いてみてほしい。声がついた物語が、どれだけ新しい体験か。
ここまで読んでくれた、あなたへ。
本から遠ざかっていた私が、もう一度、物語に出会えた入り口です。
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